美容業の税務のポイント
美容業に関する税務の抑えるべきポイントを税理士の先生に解説していただきます。売上管理(現金管理)について
美容室、理容室、エステサロン、ネイルサロンなど…美容業での売上は、その場で現金を回収する現金売上がほとんどではないかと思います。
この現金売上については、税務調査の際に必ず「売上の計上もれ」がないかどうかのチェックを受けることになります(税務調査は個人事業であっても対象になります)。
そのため、日頃から現金残高と現金出納帳や日報をチェックし約表や伝票との照合を徹底させるなど、計上もれが指摘されないようにすることが重要です。
また、夜間金庫の利用などで一日の現金を保管しておくこともおすすめです(一日の売上がわかりやすくなると同時に盗難などのリスクも減らせます)。売上金を口座へ入金する際には、経費等を差引かずに入金することも税務調査で疑念をもたれないためのポイントです。
この現金売上については、税務調査の際に必ず「売上の計上もれ」がないかどうかのチェックを受けることになります(税務調査は個人事業であっても対象になります)。
そのため、日頃から現金残高と現金出納帳や日報をチェックし約表や伝票との照合を徹底させるなど、計上もれが指摘されないようにすることが重要です。
また、夜間金庫の利用などで一日の現金を保管しておくこともおすすめです(一日の売上がわかりやすくなると同時に盗難などのリスクも減らせます)。売上金を口座へ入金する際には、経費等を差引かずに入金することも税務調査で疑念をもたれないためのポイントです。
もし税務調査が入ってしまったら…
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もし税務調査が入ってしまっても、慌てずにまずは税理士に相談しましょう(税理士がいない場合は弊社相談窓口からお問い合わせください。美容業界の税務調査に詳しい税理士のご紹介もしております)。
もちろん、税務調査に入られる以前の前提としてに、それぞれが「正しい申告を行う」ことが大事です。自分のお店の売り上げや経費を正確に計上し、確定申告をきちんと行いましょう。
消費税について
消費税については、売上にかかる消費税額から仕入れ等にかかる消費税額を差し引いて納付税額を計算する「原則課税」と、中小事業者の仕入れに係る税額の控除の特例「簡易課税」の2つの計算方法があります。
このうち「簡易課税」について、その事業者の基準期間の課税売上高が5,000万円以下である課税期間については、実際の仕入れ等に係る消費税額にかかわりなく、 その課税期間の課税標準額(売上)に対する消費税額に事業区分ごとに決められているみなし仕入れ率(下で説明します)をかけて納付する消費税額を計算します。
美容室・理容室・エステサロン・ネイルサロンなど美容業の場合、経費のなかでは「人件費」の占める割合が多いので、5,000万円以下の場合はほぼ簡易課税を選択しているのではないでしょうか。
※簡易課税を選択するには、納税地を所轄する税務署長に、原則として適用しようとする課税期間の開始の日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出することが必要です。 また、いったん受理されてしまえば、2年間は必ず適用しなければなりません。
このうち「簡易課税」について、その事業者の基準期間の課税売上高が5,000万円以下である課税期間については、実際の仕入れ等に係る消費税額にかかわりなく、 その課税期間の課税標準額(売上)に対する消費税額に事業区分ごとに決められているみなし仕入れ率(下で説明します)をかけて納付する消費税額を計算します。
美容室・理容室・エステサロン・ネイルサロンなど美容業の場合、経費のなかでは「人件費」の占める割合が多いので、5,000万円以下の場合はほぼ簡易課税を選択しているのではないでしょうか。
※簡易課税を選択するには、納税地を所轄する税務署長に、原則として適用しようとする課税期間の開始の日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出することが必要です。 また、いったん受理されてしまえば、2年間は必ず適用しなければなりません。
美容業の売上は「技術に対する売上(美容室で言うとカットやカラーリングなど)」と、シャンプーや化粧品などの「物販」の2つに区分することができます。
技術に対する売上はみなし仕入率が50%なのに対して、物販のみなし仕入率は80%です。
複数の区分の事業がある場合には、すべての事業に係るみなし仕入率を加重平均してその期間のみなし仕入率を算出します。
みなし仕入税率は高ければ高いほど控除額が増えるため、節税になるといえます。ただし、事業の区分をしていない売上については最も低いみなし仕入率(50%)の事業とされてしまうため、帳簿等に記帳する際は必ず技術の売上と商品の売上とを区分することが重要です。
※消費税対象外のもの:従業員の給与、従業員の法定福利費(厚生年金・健康保険・雇用保険)、借入金の利息 など
技術に対する売上はみなし仕入率が50%なのに対して、物販のみなし仕入率は80%です。
複数の区分の事業がある場合には、すべての事業に係るみなし仕入率を加重平均してその期間のみなし仕入率を算出します。
みなし仕入税率は高ければ高いほど控除額が増えるため、節税になるといえます。ただし、事業の区分をしていない売上については最も低いみなし仕入率(50%)の事業とされてしまうため、帳簿等に記帳する際は必ず技術の売上と商品の売上とを区分することが重要です。
※消費税対象外のもの:従業員の給与、従業員の法定福利費(厚生年金・健康保険・雇用保険)、借入金の利息 など
このほかに売上の計上で気をつけたいのが、カード売上です。
最近ではカードの取り扱いをしている店舗も多くなっていると思いますが、カード会社から入金される際、必ずクレジット手数料が差引かれて入金されると思います。
売上を計上するときは必ずこの「クレジット手数料も含めた総額」で売上を計上しないと、税務調査で指摘されてしまうことになります。このクレジット手数料は原則課税では非課税取引となるので、こちらも注意が必要です。
簡易課税制度を選択している事業者が新規出店した場合はどうなるでしょうか。新規出店なので、内装等の設備投資などで多額の費用がかかりますが、この大部分が課税取引となります。 事業区分ごとにみなし仕入れ率が決められている簡易課税よりも原則課税の方が有利になる場合がほとんどです。 新規に出店の計画がある場合には、簡易課税制度の適用をやめようとする課税期間の初日の前日までに「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出して原則課税にしておく必要があります。ただし、簡易課税制度は2年間継続適用となるので、いつから簡易課税を選択しているかの確認は必要になります。
売上を計上するときは必ずこの「クレジット手数料も含めた総額」で売上を計上しないと、税務調査で指摘されてしまうことになります。このクレジット手数料は原則課税では非課税取引となるので、こちらも注意が必要です。
簡易課税制度を選択している事業者が新規出店した場合はどうなるでしょうか。新規出店なので、内装等の設備投資などで多額の費用がかかりますが、この大部分が課税取引となります。 事業区分ごとにみなし仕入れ率が決められている簡易課税よりも原則課税の方が有利になる場合がほとんどです。 新規に出店の計画がある場合には、簡易課税制度の適用をやめようとする課税期間の初日の前日までに「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出して原則課税にしておく必要があります。ただし、簡易課税制度は2年間継続適用となるので、いつから簡易課税を選択しているかの確認は必要になります。
原則課税と簡易課税を分かやすくまとめると…
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原則課税の場合の消費税の納税額は、 「売上高×消費税率」-「仕入高×消費税率」
つまり、預かった消費税から支払った消費税を引いた金額が消費税の納税額です。この場合、支払った消費税を細かく計算する必要があります。
簡易課税の場合の消費税の納税率は、 「売上高 × 消費税率」-「売上高 ×消費税率 × みなし仕入率」
中小事業者の事務負担等を軽減する目的で導入された課税方式ですので、原則課税と違い支払った消費税を計算する必要がありません。
ただし、預かった消費税額からのみ納税額を計算するため、預かった消費税額を支払った消費税額が上回った場合でも、超えた分が還付されることはありません。
原則課税と簡易課税、どちらを選択するか迷ったら
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以上の通り、消費税の計算と一口に言っても、なかなか複雑に感じるかと思います。
自分に簡易課税を選択するメリットがあるかどうか・または原則課税のままが良いのかは、税務のプロである税理士に相談してみてはいかがでしょうか。
従業員への取り扱い商品の値引き販売時の所得税について
福利厚生の一環として従業員に対してお店で使用している商品の値引き販売をする場合は、仕入れ価格以上かつ他への販売価格の70%以上でないと、現物給与として源泉徴収の対象となるので注意が必要です。源泉徴収の対象外となるには下記の条件を満たす必要があります。
- ①値引き後の販売価額が仕入れ価額以上であり、かつ、通常の消費者に対する販売価額の70%相当額以上であること
- ②値引き率が従業員に対して全員一律で適用されているか、または、従業員としての地位や勤続年数等など合理的なバランスが保たれる範囲内の格差で適用されていること
- ③購入数量は、通常の消費者が自己の家事のために(通常)消費すると認められる程度のものであること。
条件に一つでも当てはまらなかった場合
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一つでも該当しないものがある場合には、従業員が値引販売により得をした金額、つまり値引額が給与とみなされます。
この場合、通常の金銭の支払による給与に、この値引額を加算して源泉所得税を計算・徴収する必要があります。
社員に対して大幅な値引や大量な販売をしたり、特定の社員のみに値引販売する場合は注意が必要です。
以上が気をつけたい美容業の税務の代表的なポイントです。しかしながら今回取り上げたのはあくまで一部で、これ以外にも様々な気をつけるべきポイントがあります。
詳しくは、税理士に実際にお話を聞いてみてはいかがでしょうか。税理士は税金のプロとして申告の経験を多く積んでいますので、美容業として気を付けるべき税務の共通ポイントだけでなく、お客様一人ひとりに見合ったアドバイスを提案してくれるはずです。
ビスカスでは美容業に詳しい税理士が多数登録しています。お問い合わせいただきました後、ご状況やご希望に合わせて、日本全国からお客様のお近くの税理士を厳選しご紹介します。まずはお電話またはメールからお気軽にご相談ください。
詳しくは、税理士に実際にお話を聞いてみてはいかがでしょうか。税理士は税金のプロとして申告の経験を多く積んでいますので、美容業として気を付けるべき税務の共通ポイントだけでなく、お客様一人ひとりに見合ったアドバイスを提案してくれるはずです。
ビスカスでは美容業に詳しい税理士が多数登録しています。お問い合わせいただきました後、ご状況やご希望に合わせて、日本全国からお客様のお近くの税理士を厳選しご紹介します。まずはお電話またはメールからお気軽にご相談ください。